PAUL McCARTNEY
[ ONE ON ONE MINNEAPOLIS 2016 ]
DATE 20160504+5
PLACE Target Center Minneapolis MN U.S.A.
LABEL piccadilly circus
CODE PCCD-257_60
SOURCE Audience
TYPE 4CD
PRICE ¥ 8,720
⇒数 量:

《 Products Information 》

■最新ツアー2016年5月4日と5日ミネアポリス公演二日間を完全収録。
■初演となる「ア・ハード・デイズ・ナイト」「ラヴ・ミー・ドゥ」
■アレンジが異なるピアノ弾き語りの「ヒアゼア」、アコギによる「ユーウォントシーミ?」
■プリンスの追悼として「レッツ・ゴー・クレイジー」を演奏!
■ネットやトレード間でも一切出回っていないオリジナル音源

ポールマッカートニーが2016年に始動した。4月からツアー名も新たに「ワン・オン・ワン・ツアー」と改め、北米から南米、そして欧州を経て再び北米と、5か月に渡るツアーを発表したのである。日程は2016年4月13日カリフォルニア州フレズノを皮切りに全32公演、ツアー中に74才の誕生日を迎える高齢とは思えない規模の新しいツアーである。当初は欧州におけるイベント出演が先に発表になり、その後北米をまわるツアーに発展した形となった。ツアー前にはインタビューにおいて「今まで演奏したことのない新しいセットリストを披露する」と豪語していたものの、思えばOUT THEREツアーの前にも同じことを言っておきながら、大幅なセットリストの改変はなかったなと疑心暗鬼になったものだった。結論から言えば、やはり大幅な変更こそなかったものの、ポールが言うところの「古い新曲」あり、過去に演奏した曲でもアレンジが異なったりと、近年稀に見る充実した内容のコンサートとなった。

注目の初日フレズノ公演は日本時間で4月14日の午前中に行なわれている。リアルタイムでセットリストが伝えられる中、注目のオープニングは「ア・ハード・デイズ・ナイト」であった。あの印象的なジャ?ンというイントロから、おもむろにポールが歌い出す瞬間、鳥肌が立つ感覚を覚えた。ビートルズではジョンが歌っていたパートもポールが歌い、それにラスティとブライアンがコーラスを加えるというアレンジ。意外と違和感はなく、ビートルズ時代さながらの疾走感あふるる演奏に心を奪われる。過去においては2005年の「プリーズ・プリーズ・ミー」などジョン色の強いナンバーであっても、きちんとポールの曲として聴かせるアレンジが施されていたが、今回も素晴らしい完成度となっている。特にスタジオ・バージョンではポールが飛び出してソロ・ヴォーカルをとる「ウェナァンホ?ン」からの部分でもオリジナル・キーで歌い切る熱演。もちろん多少発声に苦しいところはあるので、点をつけることは難しいけれど努力賞を、またこのような難易度の高い曲、ビートルズ時代はジョンと二人で歌っていた曲に単独でトライ、50年の時を経て再びライヴで聴けるとは、点ではなく感謝状を差し上げたい思いでいっぱいである。

ウイングス時代は1976年に、そして2010年に再演して以来、しばらくセットリストから外れていた「ワインカラーの少女」が今回復活。印象的なギター、重厚なコーラス・ワーク、濃密な演奏はウイングス時代を完全に凌駕していると言える。そして前年に初披露された「テンポラリー・セクレタリー」はそのまま残っている。そしてこれまた久しぶりの復活「I’ve Got A Feeling」である。2004年にはラスティがジョンの代役を務めていたが、今回もその構成を踏襲している。

前半のハイライトのひとつが「Here There And Everywhere」であろう。今までもかなりの頻度でステージで演奏されてきた名曲であるが、すべてアコースティック・ギターによる演奏であった。今回は何とピアノの弾き語りによるヒアゼアなのである。ポロロンとピアノのイントロで何が始まるのか予測できない中、ポールがあのメロディを歌い出すと驚いてしまう。まさかピアノ弾き語りで演奏するとは。しかもビートルズ解散後のポールがこの曲を歌う時には、出だしの歌詞を「I need my love of my own」と必ず変えて歌っていたのだが、今回は初めてオリジナル通り「I need my love to be here」と歌っているのが真新しいところ。映画ブロードストリートなどを見ても、個人的には「I need my love of my own」では収まりが悪いなと感じていただけに、今回オリジナル通りの歌詞に戻したことは正解ではなかったかと思う。しかもビーチボーイズを意識したかのような重層的なコーラスがウリだったこの曲を、ほぼソロ・ヴォーカルで歌っているのにも注目すべき点である。もちろん薄っすらと「う?」というコーラスは入っているのだが、それが本当に薄っすら効果音的に加えらえれているだけで、ほぼ全編通してポールの独唱と言っても過言ではない。どちらかと言えばシングル「リアル・ラヴ」のカップリングのアウトテイクのような雰囲気なのである。きっとポールの頭の中にはあのアンソロジー時のアウトテイクがあったに違いない。

もう一つ、久しぶりにセットリストに復活したのが「In Spite Of All Danger」である。アコースティックによるシンプルな曲だけにアレンジは2004年や2005年時と大差ないと思いきや、なんと今回初めて、アンソロジー収録のオリジナル・バージョンと同じように間奏でペンペペン、ペペンというギターソロまでもが再現されている。

さらに今回の新しいツアーの象徴となるであろう曲が「You Won’t See Me」である。ビートルズ時代はライヴで演奏することはなく、2004年になって初めて欧州ツアーで短期間のみ演奏された曲である。その時はバンドでビートルズの完コピの演奏であった。今回はそこから一転、アコースティック・ギターによる演奏となった。ポールのアコギによるシンプルな前半、そして曲が盛り上がりコーラスが加わり徐々に盛り上がっていく構成で、ウィックスのアコーディオンが目立っていると書けば、およそどのようなアレンジか想像していただけるのではないか。どれだけアレンジを変えても、否、このようなシンプルなアレンジなだけにメロディの美しさはむしろ際立って聴こえると言える。ちょうど初めてアコギ・バージョンの「While My Guitar Gently Weeps」を聴いたような感動に襲われること間違いない。

2016年はボウイやグレンフライ、キースエマーソンやプリンスなど、ロック界の重要人物の多くが鬼籍に入った年として記憶されるであろうが、その中のひとりがジョージ・マーティンである。音楽的素養が希薄だった若きビートルズに対し、大人として、またプロとしてスタジオ・ワークを共にしながらビートルズの作品を一緒に作り上げてきたプロデューサーが、今年ついに亡くなってしまった。昭和元年生まれで90才の大往生であった。ビートルズの作品を「支えてきた」というレベルではなく、まさに「作り上げてきた」共作者である。当然ポールも期するところがあったのであろう、ジョージ・マーティンに捧げるとして、今回ソロになってからは初演となるビートルズのデビュー曲「ラヴ・ミー・ドゥ」を演奏したのである。ハーモニカはウィックスが奏でている。演奏後はこのデビュー曲をレコーディングした時のジョージ・マーティンとの想い出を語っている。ジョンがハーモニカを担当するため「ラヴ・ミ?・ドゥ?」の部分を急遽ポールが歌うことになった、レコードを聴き返すと、あまりの緊張で声が震えているのがわかる・・・ビートルズ伝説では有名なエピソードではあるが、それを本人の口から直接改めて聞くというのもまた感慨深いものがある。また興味深いのは「Fool On The Hill」である。些細なことではあるが、エンディングが、これまたアンソロジーに収録されていたアウトテイクのようなピアノ・フレーズで終わるアレンジとなっている。

そして今回、注目すべきは、本作が収録されたミネアポリスは、プリンスの地元という点である。プリンスが地元ミネアポリスで絶大な人気を誇っているのは、何も彼が地元出身であるだけでなく、成功者の多くがビバリーヒルズなど高級住宅街に移住するなかで、プリンスは生涯ミネアポリスに居を構え、地元に骨を埋めた点が琴線に触れているからであろう。ましや今回の会場となったターゲット・センターは、プリンスがホームグラウンドとしたファースト・アベニューの斜め向かいに位置する。

その場所で、つい2週間前に亡くなったプリンス追悼の意味を込めて、プリンスの代表曲のひとつ「Let’s Go Crazy」を演奏したのである。「Hi Hi Hi」のエンディング部分を改変するアレンジで流れで演奏されたもので、ステージ後方スクリーンにはプリンスのシンボルが投影された。まさにミネアポリスのみのサプライズ。おそらく今後二度と演奏することはないであろう、タイミングと場所が一致したため演奏された特別曲である。

ポールは生前のプリンスと音楽的に一緒に絡むことはなかったが、コンサートで同じ曲ばかり演奏する批判に答えて『もし僕がプリンスのコンサートに行って「パープルレイン」を演奏しなかったら、がっかりするだろう』とポールは述べている。また「Let Me Roll It」の演奏後にはいつものジミヘンの想い出と共に、プリンスのコンサートを小さなクラブで観た想い出を語っている。

ピカデリー・サーカス・レーベルの最新作は、ポールの最新ツアーより、2016年5月4日と5日の連続公演が行なわれたミネアポリス公演を二日間完全収録。サンプル音源を聴いていただければ瞬時に理解できるように、音質としてはさすが2016年の録音とも言うべき考えうる最高のもの。ネット上やトレード間でも一切出回っていない完全オリジナル音源である。今後も様々なタイトルが最新ツアーからリリースされるであろうが、セットリストに微細でも変更がない限りワン・オン・ワン・ツアーは「夢の旅人」を演奏したバンクーバー連続公演と、「レッツ・ゴー・クレイジー」を演奏したミネアポリス連続公演が決定盤となるであろう。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。

サンプル音源

TARGET CENTER MINNEAPOLIS MN U.S.A. May 4, 2016
DISC ONE
01. A Hard Day's Night
02. Save Us
03. Can't Buy Me Love
04. Letting Go
05. Temporary Secretary
06. Let Me Roll It
07. I've Got A Feeling
08. My Valentine
09. 1985
10. Here There And Everywhere
11. Maybe I'm Amazed
12. We Can Work It Out
13. In Spite Of All Danger
14. You Won't See Me
15. Love Me Do
16. And I Love Her
17. Blackbird
18. Here Today
19. Queenie Eye

DISC TWO
01. New
02. The Fool On The Hill
03. Lady Madonna
04. FourFiveSeconds
05. Eleanor Rigby
06. Being For The Benefit Of Mr. Kite!
07. Something
08. Ob-La-Di, Ob-La-Da
09. Band On The Run
10. Back In The U.S.S.R.
11. Let It Be
12. Live And Let Die
13. Hey Jude
14. Yesterday
15. Hi Hi Hi - Let’s Go Crazy
16. Birthday
17. Golden Slumbers - Carry That Weight - The End

TARGET CENTER MINNEAPOLIS MN U.S.A. May 5, 2016
DISC THREE

01. Introduction
02. A Hard Day's Night
03. Save Us
04. Can't Buy Me Love
05. Letting Go
06. Temporary Secretary
07. Let Me Roll It
08. I've Got A Feeling
09. My Valentine
10. 1985
11. Here There And Everywhere
12. Maybe I'm Amazed
13. We Can Work It Out
14. In Spite Of All Danger
15. You Won't See Me
16. Love Me Do
17. And I Love Her
18. Blackbird
19. Here Today
20. Queenie Eye

DISC FOUR
01. New
02. The Fool On The Hill
03. Lady Madonna
04. FourFiveSeconds
05. Eleanor Rigby
06. Being For The Benefit Of Mr. Kite!
07. Something
08. Ob-La-Di, Ob-La-Da
09. Band On The Run
10. Back In The U.S.S.R.
11. Let It Be
12. Live And Let Die
13. Hey Jude
14. Yesterday
15. Hi Hi Hi - Let’s Go Crazy
16. Birthday
17. Golden Slumbers - Carry That Weight - The End

 

 

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