PAUL McCARTNEY
[ OFF THE GROUND SESSIONS ]
DATE 1993
PLACE OFF THE GROUND Sessions
LABEL MC
CODE mccd-581_3
SOURCE Soundboard
TYPE 3CD
PRICE ¥ 7,680
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《 Products Information 》

ポールの活動の周期はディケイドで区分することが出来る。70年代はウイングスの時代。80年代は前半こそアルバム制作や映画製作に勤しんだものの、後半は低迷期ともいうべき期間であった。何より80年代にツアーを行なっていないのが最大の特徴である。そして90年代に入り、前半において2度のワールド・ツアーに出る事になる。それぞれにニュー・アルバムを伴うツアーであり、ポールの現役感が漲る期間であった。しかし90年代後半はリンダの病状悪化に伴い、再び表舞台に出なくなってしまう。ウイングス時代よりステージを共にしていたリンダとの最後のツアーが1993年のニュー・ワールド・ツアーであった。

1989年より始まった10年ぶりのツアー「GET BACK TOUR」は、それまで添え物程度でしか演奏されなかったビートルズ時代の楽曲をふんだんに盛り込んだもので、ポールいわく「あれも僕の曲だよ」ということだった。おそらくGET BACK TOURで手応えを感じたのであろう、これ以降、今日に至るまでビートルズ時代の曲をステージのウリとして次々にセットリストに採用していくことになる。1990年の時点でポールは48歳である。今の視点では充分に若いし、現在のノエル・ギャラガーと同い年といえば、まだ老いるには早い。既に子供たちも大きくなり手がかからなくなっていたこともあり、ビートルズ時代の楽曲をウリにしつつも、ニューアルバムをリリースし、それに伴うプロモーションを兼ねたツアーという、現役ミュージシャン本来の活動をこの時期活発に行なっていたものである。

先述のように1989年から1990年のGET BACK TOURに続いて、1993年再びツアーに出ることになる。それに先立ち、ツアー・メンバーと共にニューアルバムを制作することとなった。ただの懐古趣味にならない現役ミュージシャンのツアーとして、どうしてもニューアルバムは必要だったのである。そして生まれたのが『OFF THE GROUND』であった。ツアーで演奏することを前提とした楽曲も多く、ダビングは最小限に抑えられ、ほぼスタジオ・ライヴ形式でレコーディングされたと伝えられる。

【OFF THE GROUND】
アルバム・タイトルとなった楽曲でライヴでも演奏されている。印象的なリフに乗せてポールがファルセットを駆使しつつリズムを主体とした曲である。トラック1のBASIC TRACKではヴォーカルが前面に出たミックスがなされており、まるで目の前で歌っているかのような感じである。リリース・バージョンでは聞こえなかった息遣いまで収録されている。特に間奏でハッハッと合いの手を入れているところなどがクリアに収録されているのが興味深い。コーラスは入っておらずポール単独での歌唱である。トラック2はギターとコーラスのオーヴァーダビングである。ポールのリード・ヴォーカルは薄っすらと聴こえるが、ギターとコーラスがメインのトラックである。このようにしてあの重厚な曲が完成するということだろう。SINGLE MIXは冒頭にコーラスが付与されるバージョン違いである。VIDEO MIXはさらにギター・ソロが曲の頭に加えられている。

【LOOKING FOR CHANGES】
アルバム2曲目に位置する軽快なロック・チューンである。歌詞は動物実験に反対する内容で、実際のコンサートでは動物実験の様子をスクリーンに投影していたものである。THE MILL REHEARSALはその名の通りレコーディング・リハ?サルでの演奏である。元々ライヴ収録されていたためか、リリース・バージョンと差異がほとんどないが、ポールのヴォーカルが別テイクである。CHANNEL MIXはギターに重点を置いたミックスとなっている。いきなりギターがギュワ?ンと出てくるので驚く。

【HOPE OF DELIVERANCE】
シングル・カットされたこと、日本ではテレビでも頻繁に放送されたたため、おそらくこのアルバムで最も知られた曲であろう。BACKING TRACKはカラオケである。ビートルズの時代と異なり、このようにオケを先に録音し、後から合わせてヴォーカルを入れる手法で作られた曲であり、その点ではこのアルバムの中の他の楽曲と異なる。シングルにすることを前提で丁寧に作られたのであろう。ヴォーカルはおろかコーラスすら入っていない。その後、シングル・トラックでのポールのヴォーカルのダビング、そしてパーカッションやギターのダビングトラックが続く。

【MISTRESS AND MAID】
この曲はコステロとの共作で『FLOWERS IN THE DIRT』に漏れたためスライド収録されたものである。なるほどコステロないし前作の雰囲気を感じさせられる。この曲のアウトテイクは発掘されていないが、本作には別ミックスが収録されている。また唯一ライヴ演奏されたのが1995年3月23日のロイヤル・パフォーマンス時で、弦楽器を加えコステロとのデュエットで演奏された。これが唯一確認されているライヴ演奏である。

【I OWE IT ALL TO YOU】
この曲もアウトテイクは発掘されておらず、本作に収録のテイクはヴォーカルを下げ、ピアノなどを前面に出した別ミックスである。ライヴで演奏されたのは1992年のUP CLOSEのみで、コンサートでは演奏されていない。美しく切ないメロディの佳曲なので、もっと注目して欲しい楽曲である。

【BIKER LIKE AN ICON】
ポールはアルバムを構成するにあたって「何曲目にどのような曲を入れる」ということを決めているような気がする。そして必ずライヴ演奏に映えるようなロック・ナンバーをアルバムのLPで言うA面の途中に挿入する傾向になる。バイカー、ライクアン、アイカン、という韻を踏んだタイトルのこの曲もそんな楽曲のひとつである。もちろんライヴでも毎晩演奏されており、スクリーンには大きな聖母マリアが映された。BASIC TRACKではポールのヴォーカルが生音のまま収録されているようで、一切のエフェクトが排除されたそのままの声である。

【PEACE IN THE NEIGHBOURHOOD】
スロー・テンポの何ともない曲だが、ポールは気に入っているようで、コンサートでは毎回歌われていた。シンプルな曲かと思いきや、コーラスがかなり複雑に入り交じっており演奏するのは難しそうである。THE MILL REHEARSALは断片ながら貴重なリハーサル音源である。

【GOLDEN EARTH GIRL】
美しいピアノによるバラードである。タイトルといい曲調といい歌詞といい、非の打ちどころがない、いかにもポールらしさが溢れている名曲であろう。オリジナルにおけるファルセットを多用した歌唱も素晴らしい。本作に収録されているのはそのバッキング・トラックである。

【THE LOVERS THAT NEVER WERE】
この曲もコステロとの共作であり、「FLOWERS IN THE DIRT」から漏れたため、スライド収録されたものである。なるほどコステロ色が前面に出たポール単独では書けない曲である。コステロがメインで書き上げ、先輩を立ててポールの新しい側面を露出させる意図のようなものが感じられる。本作にはデモが2バージョン収録されている。ピアノとアコギのみのシンプルな演奏ながら迫力あるヴォーカルはまるでバンド演奏のような濃厚さを醸している。コステロはあくまでコーラスに徹しており、ポールはあえてガラガラの荒れた発声で歌っているのがわかる。

【GET OUT OF MY WAY】
一転してガラの悪そうなタイトルの激しいロック・ナンバーである。この曲もステージでは毎回演奏されていた。「LOOKING FOR CHANGES」と同様、当初からライヴを想定しての曲であろう。トラック5のVIDEO SHOOTは撮影のためのライヴ演奏でありながら、スタジオ・バージョンと同じアレンジとなっている。しかしライヴ・テイクなだけに疾走感あふるる素晴らしいバージョンとなっている。特に演奏を務めるバックがテンポをいくぶん早め、エコーがかけられたポールのヴォーカルが遅れないように必死でくらいついている、その緊張感がたまらない。

【WINEDARK OPEN SEA】
アルバムにおいては、ここでまた再び軽く息を抜く役割を果たす楽曲である。「GOLDEN EARTH GIRL」と対になるような形で、次の「C’MON PEOPLE」へ繋ぐための楽曲である。REHEARSALはお遊びで、ポールがよくやるように、アップ・テンポで軽快に歌っているバージョン。歌詞を聴いてやっとこの曲だとわかる、まったく別曲である。その他、別ミックスとバッキング・トラックが収録されている。

【C’MON PEOPLE】
そしてこのアルバムの中で最高の名曲は何を差し置いても「C’MON PEOPLE」であろう。ピアノで厳かに始まり徐々に盛り上がっていき、最後は大団円で終えるという「HEY JUDE」を踏襲したスタイルである。BASIC TRACKはオーケストラをダビングする前で、ポールのヴォーカルが前面に出たミックスとなっている。ポールのヴォーカルには何らエフェクトの類がかけられておらず、まさに生歌。ポールの息遣いまで聞こえてきそうな生々しさはファンにはたまらないものだろう。特にコーラスに移る際にポールが口で「ドゥドゥドゥドゥドゥ」と入れるところなど鳥肌ものである。時折ダブルトラックになる箇所あり、コーラスもある程度入っていることから、かなり進んだ段階のものであることがわかる。本作の中でも最大のハイライトがこの「C’MON PEOPLE」のBASIC TRACKであろう。その後、アコギやオーケストラを加えたバージョン、そして別ミックスなどが収録されている。最後の「If I Were Not Upon The Stage」はおそらく「C’MON PEOPLE」のビデオ収録の際のお遊びであろう。

【I CAN’T IMAGINE】
【KEEP COMING BACK TO LOVE】

いずれも「COMPLETE WORKS」にも収録されていた同アルバムのアウトテイクである。ジョンの「IMAGINE」が頭にあったかどうか、親友の代表曲を否定するようなタイトルにドキッとしてしまう。曲自体はアルバムから漏れただけあって他愛ないものであり、シングルの添え物程度で発表された曲である。ここではヘイミッシュのコーラスとアコギの抽出音源である。

【COSMICALLY CONSCIOUS】
アルバムのシークレット・トラック的に最後に収録されていたが、それは非常に短いものであった。さらに「COMPLETE WORKS」において全長版が収録されることになる。当時の解説によればビートルズ時代にインドに行った際に作った曲である、ビートルズのアウトテイクであるという事をウリにしていた。なるほど確かに東洋的な雰囲気を持つ曲で、歌詞はマハリシの口癖を織り込んだものだということだ。当時もライヴで演奏されたことはなく、特に注目を浴びる曲ではなかったが、2009年にニューヨークで一度きりライヴで演奏したことで、改めて知られるようになった。単純な曲ながらクセになる魔力を持っている曲である。

【DELIVERANCE】
タイトルが似ているが「HOPE OF DELIVERANCE」の歌詞をサンプリングしているだけで、曲自体は関係がない、ダンス・ミュージックである。シングル「C’MON PEOPLE」の同時収録曲として発表され、いまだ入手は困難である。当時の流行に乗ったもので、ポールの歴史の中でも異端的な位置づけがなされている。本作に収録されているのは、VIDEO EDIT MIXである。

【IS IT RAINING IN LONDON】
この曲はこの時期のツアーを取材したドキュメンタリー「MOVIN’ ON」にて収録されていたポールの未発表曲である。残念ながらポールのバージョンは現在でもきちんとした形では聴くことができない。しかし、ヘイミッシュとの共作であることから、ヘイミッシュのソロ・ライヴでは、本人がステージで完全な形で演奏している。当初、オーケストラを大々的に重ねた大曲の構想があったのかもしれない、本作にはそのオーケストラのリハーサルにおける音源、そしてヘイミッシュのソロ・ライヴにおける完全版を収録している。

【MORE REHEARSALS】
同時期に作られたものの、アルバム未収録かつスタジオ・バージョンが残されていない曲をリハーサルから2曲収録している。ひとつは「ROBBIE’S BIT」である。コンサートにおいて曲と曲の繋ぎで披露されたギター・インストルメンタルである。ここではポールがドラムを叩いている。「I’M MOVING ON」はポールの即興曲であろう。先述のドキュメンタリーはこの曲から採用されていると思われる。ツアー中にバンドの中で何か「I’M MOVING ON」という合言葉が流行していたのだろう。

【OFF THE GROUND COMMERCIALS】
アルバム・リリース当時のラジオ・スポットである。ただのCMとはいえ趣向を凝らしたもので、宇宙船か何かの発射カウントがなされ、爆発音と共に「OFF THE GROUND」(発射)とアナウンスするものとなっている。

【DISC THREE】
ディスク3は、アルバム・リリース当時に、プロモーションのためポールが出演した番組を3つ収録している。それぞれ実際の曲をかけつつ、ポールが解説をしていくという興味深い内容である。もちろん英語なのだが、比較的わかりやすい内容なのでトライしてみて欲しい。

【OFF THE GROUND SESSIONS】
Mクローデルのアルバム・セッション・シリーズは、1993年のアルバム「OFF THE GROUND」である。2度に渡るワールド・ツアーの合間に、ステージで演奏することを前提とした楽曲が並び、それ以外でも美しい佳曲が詰まった素晴らしいアルバムである。このアルバムがポールにとって特別なのは、2012年に突如ステージで「HOPE OF DELIVERANCE」を演奏したことからも伺える。当時このアルバムが発表されたときは、うねるようなギターを大々的にサウンドの幹に据え、リズムを強調した楽曲に胸躍らされたものだった。かつピアノによる美しい曲や、ラストを飾る「C’MON PEOPLE」は壮大な名曲の威厳を充分に感じさせるものであった。アルバム・タイトルに反して、しっかりと地に足がついた作品であった。本作は、その「OFF THE GROUND」のレコーディング・セッション音源を網羅したものである。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。

DISC ONE
OFF THE GROUND
01. Basic Track
02. Guitar and Backing Vocal overdubs
03. Single Mix
04. Bob Clearmountain remix
05. Keith Cohen remix
06. AC Edit by Larry Walsh
07. Video Sound Tack mix

LOOKING FOR CHANGES
08. The Mill Rehearsal
09. Channel Mix

HOPE OF DELIVERANCE
10. Rehearsal (fragment)
11. Original backing track
12. Basic Track with single vocal
13. Basic Track with vocal overdubs
14. Precussions and Guitar overdubs
15. Video soundtrack mix
16. The Humpty Dumpty Rap / Hope of Deliverance (Video Shoot Rehearsal)

MISTRESS AND MAID
17. Channel Mix
18. Live Performance March 23, 1995

I OWE IT ALL TO YOU
19. Channel Mix

BIKER LIKE AN ICON
20. Basic Track
21. Guitar Overdubs (5.1. mix)
22. Video Shoot
PEACE IN THE NEIGHBOURHOOD
23. The Mill Rehearsal
24. Channel Mix
25. Piano, Guitar and backing vocal Overdub

DISC TWO
GOLDEN EARTH GIRL

01. Backing track channel mix

THE LOVERS THAT NEVER WERE
02. Demo Source #1 (complete)
03. Demo Source #2 (incomplete)

GET OUT OF MY WAY
04. Backing track channel mix
05. Video Shoot

WINEDARK OPEN SEA
06. Rehearsal
07. Alternate Mix
08. Backing track channel mix

C'MON PEOPLE
09. Basic Track no Orchestra
10. Acoustic, backings and Orchestra overdub (5.1. mix)
11. Promo Radio Edit
12. Video Edit Mix
13. If I Were Not Upon The Stage (video shoot)

I CAN'T IMAGINE
14. Hamish's backing vocals and acoustic guitar

KEEP COMING BACK TO LOVE
15. Backing track channel mix

COSMICALLY CONSCIOUS
16. Different Channel Mix

DELIVERANCE
17. Video Edit Mix

IS IT RAINING IN LONDON (unreleased McCartney/Stewart track)
18. Orchestra Session
19. Hamish Stuart Live

MORE REHEARSALS
20. Robbie's Bit (Paul on Drums) (Off the Ground Video Shoot)
21. I'm Movin' On

OFF THE GROUND COMMERCIALS
22. Version #1
23. Version #2

DISC THREE
OFF THE GROUND RADIO SHOW, Recorded Jan 17, 1993

01. Introduction
02. Segment 1 - Hope Of Deliverance
03. Segment 2 - C'mon People
04. Segment 4 - Off the Ground
05. Segment 5 - I Owe it All to You
06. Segment 6 - Mistress and Maid
07. Segment 7 - Biker Like an Icon
08. Segment 8 - Looking for Changes
09. Segment 9 - Get Out of My Way

ROCKLINE Radio Show, Feb 11, 1993
10. Segment 1 - Hope Of Deliverance
11. Segment 2 - Biker Like an Icon
12. Segment 3 -The Lovers That Never Were
13. Segment 4 - Big Boys Bickering
14. Segment 5 -Looking for Changes

OFF THE RECORD WESTWOOD ONE RADIO, June 1993
15. Commercial 1
16. Commercial 2
17. Commercial 3
18. Introduction
19. Segment 1 - I Saw Her Standing There
20. Segment 2 - Big Boys Bickering
21. Segment 3 - C'mon People
22. Segment 4 - Hope of Deliverance
23. Segment 5 - Got To Get You Into My Life
24. Segment 6 - Live And Let Die
25. Segment 7 - Eleanor Rigby
26. Segment 8 - Off The Ground

 

 

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