《 Products Information 》

■プロモ・クリップを発表年の順番に収録
■別バージョン、別テイク、アウトテイクを網羅
■プロモのみならずEPKやウェブブロードキャストも漏れなく収録
■カチンコから始まるストロベリーフィールズやレイン、ペイパーバックライターなど初登場映像！
■同一曲別テイクを見比べることができるマルチ・エディットを併録
■CDはプロモ・ミックスを収録。初登場「レイン」ロングバージョン！

マニア必携Ｍクローデル・レーベルより、ビートルズのプロモ・クリップ集がリリースになります。今まで中途半端な収録のプロモ集は数多くありましたが、本作は内容、画質ともに現在考えうる最高のものを完全に収録した初のタイトルになります。そしてプロモのみならず、各種アウトテイク、楽曲のプロモだけでなくアップル・プロモ、そして各種プロモのアウトテイク、ウェブでのみ公開されたプロモ映像、そしてEPKなど、およそプロモーション関連の映像を集大成した決定盤となっています。なにせDVDが5枚という充実の内容ですから、もはやこれを上回るものはないでしょう。

【コンセプト】
本作のコンセプトは、第一にすべてのプロモ映像を発表順に収録しているという点です。従来の既発盤では、1曲目が「ラブ・ミー・ドゥー」であったり「プリーズ・プリーズ・ミー」から始まるものがほとんどでしたが、実はこれらのプロモは当時のものではなく、ずっと後年、80年代以降に作られたものです。またここ20年あまり、数年ないし毎年のように何らかのビートルズに関するリリースがあり、その都度プロモ映像が新たに作られています。本作は、それらを発表順に収録されている点を大きな特長としています。曲によっては何バージョンもあったりするので、すべてを網羅するには、既発タイトルのように年代ごちゃまぜに収録するのではなく、このように発表年代順に並べるのが最も適しているといえるでしょう。1965年から2013年まの間に作られたプロモ映像を、制作順に収録。これをコンセプトとしています。

【内容紹介】
続いて内容紹介です。ディスク1はちょうどビートルズ現役時代、プロモが初めて作られた1965年から1970年にかけて作られたプロモを収録しています。詳細はトラックリストを見ていただきたいのですが、複数バージョンがあるものもすべて収録されています。特筆すべきは1968年に作られたアップルのプロモ映像です。これは曲ではなく、ビートルズが立ち上げた新会社アップルそれ自体をプロモーションするために制作されたもので、中にはポールがギター一本で引き語りによる「ブラックバード」と「ヘルタースケルター」なども含まれています。

ディスク2は1976年アルバム『ROCK AND ROLL MUSIC』がリリースされた時に新たに制作された「バックインザUSSR」、そして「It Was 20 Years Ago Today」や「Beatles Box」、「２０ Greatest Hits」などの編集アルバムがリリースされた際のプロモを収録しています。「ラブ・ミー・ドゥー」や「プリーズ・プリーズ・ミー」、「抱きしめたい」など初期のナンバーのプロモが初めて作られたのがこのときでした。面白いのは1987年制作の「サージェントペパーズ」のプロモです。ジャケットの登場人物やオーナメントが、あるで生きているかのように動くという、コンピューター技術の黎明期においては画期的なプロモ映像となっています。また1993年赤盤青盤がリリースされた時には、赤ないし青の縁取りがあるものと、それらがないものと、両方のプロモが公開されており、本作にはその両方を収録しています。また曲のプロモのみならず、赤盤青盤のアルバムそのもののプロモも収録。最後は1994年『LIVE AT THE BBC』リリース時のシングル曲「ベイビー・イッツ・ユー」のプロモを2バージョン収録しています。

ディスク3は記憶に新しいものの、既に20年の年月が経ってしまった『ANTHOLOGY』関係のプロモを収録しています。当時の新曲「フリー・アズ・ア・バード」の他、プロモ映像としては珍しいワシントン公演より初登場映像を使った「のっぽのサリー」など、このプロジェクトにかける本気度が伝わってくる発掘映像でした。アンソロジーは3部作が徐々にリリースされていたため、年をまたいで1996年にもアンソロジー関連のプロモが新たに発表されました。その中にはもちろん、冒頭からカラー化された「愛こそはすべて」や、第2の新曲「リアルラブ」も含まれています。
1999年にはイエローサブマリンが初ＤＶＤ化され、それに伴い初めてリミックスされたバージョンが発表され賛否両論を巻き起こしました。特にＤＶＤにおいては従来カットされていた「ヘイブルドッグ」のシーンが初めて収録され、このプロジェクトの目玉としてプロモが作られました。そして2000 年に入って最初はベストアルバム『THE BEATLES 1』が発表。ベスト盤という性格上、このプロジェクトから数多くのプロモが作られました。

ディスク4は2003年「LET IT BE NAKED」のプロモから始まります。このアルバムに伴う楽曲のプロモは「Don’t Let Me Down」と「Get Back」の2曲だけながら、元々このアルバムのコンセプトに沿って、アルバムそのもののプロモ映像が何バージョンも作られています。本作はそのアルバムとしてのプロモ映像を全バージョン完全収録。2006年US BOXの際は2曲、これは今までプロモがなかった「ディジーミスリジー」と「アイム・ダウン」が初めて映像化されたものとして記録されます。2009年リマスターの際は、意外やプロモが作られたのは3曲のみでした。おそらく『THE BEATLES 1』の時に既に多くのプロモが作られたこと、新たな発掘映像がないこと、そして同じ映像を使ってプロモを作る意味がないことなどから、3曲にとどまったものだと考えられます。そして最後は2013年『LIVE AT THE BBC VOL.2』の際の「ワーズ・オブ・ラブ」と、このアルバムそのもののプロモが収録されています。

以上、ディスク1から4の4枚に渡って、1965年から2014年の約半世紀に渡って作られたプロモを年代順に収録しています。このような体系的な収録は従来は皆無でしたので、ぜひ完全コレクションのひとつとして揃えておいていただきたいものです。

ディスク4の最後には、EPKと、プロモのアウトテイク映像が収録されています。EPKは主に報道関係者に向けて配布されるプロモーション・キットで、アルバムのリリースを報じるニュース映像などで使用するために編集制作されたものです。そしてアウトテイクがすごい。まず「レイン」のアウトテイク映像は、映像そのものも初登場なら、音源もエンディングがかなり長く、今まで聴いたことのないエンディングにおけるジョンのヴォーカルが収録されているのです。そして「レイン」のアウトテイク映像がさらにもう1テイク収録されています。こちらはメンバーの顔のアップが中心で、なんとカチンコから収録されているという驚きのアウトテイク映像です。同様にカチンコから始まる「ハローグッバイ」のアウトテイク映像。そしてさらにすごいのはスタジオで収録された「ペイパーバックライター」のアウトテイク映像です。こちらは従来見ることのできたものと別編集によるもので、今まで見たことのないショットが含まれています。これらはいずれも初登場映像で、本作の目玉となる部分です。

ディスク5はウェブブロードキャストのみで公開されたプロモ映像を収録しています。ウェブブロードキャストという性質上、期間限定公開のものが多く、意外や今となっては視聴することができないものがほとんどで、それがこのように集約されているのは画期的なことだといえます。ディスク5の冒頭に収録されている「アイ・フィール・ファイン」と「トゥ・オブ・アス」の2曲は実際の映像とアニメをコラージュした実験的なプロモ映像。サイケデリックな雰囲気を持つ不思議なプロモ映像です。続いてラスベガスのミラージュでロングラン公演が行われているシルクドソレイユ『LOVE』のプロモーション映像です。それぞれの曲のシーンでウェブ限定のプロモーション映像が作られた、そのすべてを収録しています。シルクドソレイユの世界とビートルズの楽曲との融合が幻想的で独特な世界観を表現しています。続いてiTunes Storeでビートルズの楽曲が配信販売された時のプロモを収録。楽曲そのものではなく、iTunesでの配信のプロモーションとなっているところが特徴です。マジカルミステリーツアーが初めてBlue-Rayで発売された時にも、数多くのプロモーション映像が制作されました。その中には映画のアウトテイク映像が使われていたり、関係者のインタビューが収録されていたりと、本編とは異なる興味深い内容が目白押しのプロモ映像です。そして後半はUSアルバム BOXやライヴ・プロジェクトなど細かいプロモ映像が収録されています。

ディスク5にはさらにすごい映像が収録されています。まずマルチ・エディットと題された7曲は、それぞれ複数のバージョンのプロモ映像が存在する楽曲を、どこが異なるのか見比べられるように並べたものになります。特に複雑なのは「ペイパーバックライター」で、実に5バージョンが存在し、それらの違いが一目瞭然となっています。スタジオで収録されたスタジオ・ライヴ形式のプロモも、メンバーの動きを見ていると同じではなく、全く別テイクで、当日複数回収録されていたというのがよくわかります。それは「レイン」も同様で、実に6バージョンが知られており、カメラワークがことなるのはもちろん、編集の違いのみならず、テイクそのものが異なっているというのがよくわかります。「ハローグッバイ」も5バージョンを見比べることによりその違いが明確になっています。サージェントの衣装を着たバージョン、着ていないバージョンくらいの違い程度しか今まで意識していなかったと思いますが、こうして見比べると、似ているハローグッバイのプロモが、いかに違うかがよくわかります。
「ヘイジュード」は少なくとも2テイク撮影され、カメラ割りの違いを含めると4種類のバージョンが存在しているのがかわります。同様に「レボリューション」は全く異なる2テイクが存在します。絵コンテに沿って撮影編集されているためか、カメラワークは非常に似通っているのですが、明らかに別テイクで、一方は比較的ふつうに演奏に徹しているのに対し、もう片方はポールやジョージの動きを見てもわかる通り、非常に熱を帯びたノリノリの演奏だというのがわかります。

ディスク5の最後は「ODDS AND ENDS」と題し、貴重な初登場アウトテイク映像が収録されています。「ストロベリーフィールズ」のプロモのアウトテイク映像は、ビートルズのメンバーに指示を与えるスタッフやカチンコが映され、今まで見たことのないショットが続きます。もちろん本作で初登場の貴重映像。撮影アウトテイクはもちろん、プロモの撮影風景とも思しきリラックスした映像も含まれており、非常に驚きの初登場映像です。さらにディスク１に収録されていたアップル・プロモのアウトテイク映像を収録。これらは様々なドキュメンタリーなどに断片的に収録されたりしていた映像ですが、ジェームズ・テイラーやメリーホプキン、バッドフィンガー、ビリープレストンなど、アップル・レコード所属のアーティストの演奏シーンなども収録されています。

最後にオーディオ・ディスクですが、こちらは同レーベルよりリリースされており廃盤となっていた「THE BEATLES VIDEO 1」に、初登場「レイン」のロングバージョンを加えたものになります。プロモのみのミックスが数多く存在し、それらはダグサルピーの著書でも別ミックスとして採り上げられていました。その音源を収録したものの中でベストとされていた「VIDEO 1」がさらにバージョンアップして付属しています。まさに映像と音源のすべてにおいて網羅したセットであるというのがわかります。

Mクローデル・レーベルの最新作は、ビートルズのプロモ関連映像を発表順に網羅したDVD5枚とCD1枚の合計6枚に渡る大作。もちろん画質や内容は過去最高のものとなっています。特に「レイン」「ペイパーバックライター」「ストロベリーフィールズ」などの初登場映像もあり、複数バージョンを見比べるマルチ・エディットあり、プロモ映像に限ってはこれ以上ないといった充実の内容となっています。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。スリップケース付。