DAVID BOWIE [ The Struggle Is Real - Budokan Two Shows 2004 - ] | | DATE | 20040308+08 | PLACE | Budokan Hall Tokyo, Japan | LABEL | helden | CODE | DEN-043_6 | SOURCE | Audience | TYPE | 4CD | PRICE | ¥ 8,340 | |
《 Products Information 》
2003年にロサンゼルスに行ったことがある。街中は当時リリースされたばかりのボウイの『リアリティ』の看板、ポスターなどが溢れていた。2003年には既にCDの売上が減少しつつあるという話題がニュースになっており、その後タワーレコードが破綻するなど、音楽業界を巡る状況はけして良いものではなかった。そんな中、『ヒーザン』からわずか1年あまりと、ほとんど間をおかずボウイのニューアルバム『リアリティ』がリリースされた。売上減少に悩んでいた音楽業界は、このボウイの『リアリティ』を大プッシュしている様を私は目の当たりにしている。
アルバム『リアリティ』は都会的な雰囲気を醸している大人のアルバムである。一曲目の「ニュー・キラー・スター」は不可思議な効果音と共にボウイの独特の発声法が発揮された名曲である。珍しいところではジョージハリスンの「Try Some, Buy Some」のカバーが含まれている。ボウイが特にこの曲を気に入っていたためカバーしたらしいが、このようなアルバムの一部のマイナーな曲の何が彼の琴線に触れたのかは不明である。ほぼ完コピに近い形でカバーしているのもボウイのリスペクトが感じられる部分である。その他「ネヴァー・ゲット・オールド」が日本でCMに使われるなど、ファンにとって新たに大切なアルバムがボウイのカタログに加わった。そして、このアルバムに伴うツアー、「A Reality Tour」に出るのであった。
リアリティ・ツアーがアナウンスされた時はファンは驚いた。世界の5大陸を全て巡る実に112公演にも渡る大規模なものだったからだ。このツアーにかけるボウイの意気込みは大きく、ツアーと平行して数多くのテレビにもプロモーションを兼ねて出演している。ここまで大規模なツアーは、実にグラス・スパイダー・ツアー以来のことであった。ステージ後方には大型のスクリーンが配置され、様々な視覚効果を演出。ステージ後方から真っ白なライトが強く照射され、ステージ中央に浮かんだ人影が「愛しき反抗」をアカペラで歌い出す。歌声は聞こえるのでそれがボウイであるというのは認識できる。しかし強いライト照射のせいでボウイの顔は視認できない。そこへ力強くバンドが加わり、演奏が一気にスパーク、ライトが落とされようやくボウイが聴衆の前に姿を現すという演出が、これはもう素晴らし過ぎる。セットリストはボウイ30年のキャリアを俯瞰したものであり、初期から最新アルバムまでと幅広く選曲された。2004年リアリティ・ツアーの日本公演は以下の日程で行なわれた。
2004年3月8日 日本武道館 2004年3月9日 日本武道館 2004年3月11日 大阪城ホール
本作は、このうち、日本武道館2連続公演を完全収録している。ボウイ自身は90年のインタビューで「僕はビートルズやストーンズみたいにシングルヒットはそんなに持っていないからね」と謙虚に答えていたが、それでも30年以上に渡るキャリアでレパートリーは豊富にある。ヒットしたかどうかは、それが名曲であるかどうかとはまた別の話である。そして基本セットは踏襲しつつも、武道館は連続公演とあって、2日間の両方に来るファンも楽しめるように、2日間でセットリストを変えているのも特長である。
【2004年3月8日】 武道館初日となったこの日、8年ぶりのボウイを一目見ようと大勢のファンが武道館に訪れた。オープニングは前述の通り「愛しき反抗」である。そして2曲目に早くも新曲「ニュー・キラー・スター」である。面白いのは「チャイナ・ガール」である。ボウイが前フリで「君たちが歌ってね」と言った後、あのチャララララ?というイントロに客席は大いに沸くが、ボウイは歌い出さない。何とも珍しいカラオケ・バージョンだったのである。すぐに演奏を止めて、再びきちんと「チャイナ・ガール」を歌い出すという演出である。また客席に向かって『「Be My Wife」と「Breaking Glass」とどちらを聴きたい?』と尋ねる箇所があり、客席からの声で「Be My Wife」を演奏するというシーンもあることから、セットリストも即興部分があるのだということが伺える。なぜ「Both(両方!)」と言わなかったのかと(笑)。初日のみ演奏された曲は「Fame」「Never Get Old」「Life On Mars?」「Days」「Sound And Vision」の5曲である。
【2004年3月9日】 武道館二日目も、同様に「愛しき反抗」がオープニング・ナンバーなのだが、2曲目に「君の意思のままに」が突如セットインしたのである。前日に演奏しなかった曲であるのはもちろん、意表を突く2曲目に早くも登場した「君の意思のままに」に驚かされる。その他、初日に演奏しなかった曲として「Fashion」「5:15 The Angels Have Gone」「Reality」「Slip Away」「Afraid」「Bring Me The Disco King」「Fall Dog Bombs The Moon」と、実に8曲にも及ぶ。連続公演でセットリストを変えるアーティストは少なくないが、これほど大幅に入れ替えるのも珍しい。ディスク3の最後のトラック「スペース・オディティ」は即興でアカペラで冒頭の部分を口ずさんだだけのもの。
本作は、2004年わずか3公演のみのリアリティ・ツアー日本公演より、武道館連続公演を完全収録したものである。当時リアルタイムでリリースされたタイトルも数多くあるが、本作はコンサートから12年後に登場した、それらを凌駕する超高音質音源である。そのクオリティはサンプル音源を聴いて確認していただきたく思う。なお、ボウイはこのツアー中に心臓の痛みを訴え、スケジュールを中途でキャンセルし、その後10年近くの長きに渡って表舞台から姿を消してしまう。ツアーはおろかステージに立つのもこのツアーが最後となる。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。
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サンプル音源
BUDOKAN HALL TOKYO, JAPAN MARCH 8, 2004 DISC ONE 01. Introduction 02. Rebel Rebel 03. New Killer Star 04. Fame 05. Cactus 06. All The Young Dudes 07. China Girl #1 08. China Girl #2 09. Never Get Old 10. The Loneliest Guy 11. The Man Who Sold The World 12. Hallo Spaceboy 13. Sunday 14. Heathen 15. Under Pressure
DISC TWO 01. Life On Mars? 02. Looking For Water 03. Quicksand 04. Days 05. Sound And Vision 06. Be My Wife 07. A New Career In A New Town 08. Ashes To Ashes 09. I'm Afraid Of Americans 10. Heroes 11. Five Years 12. Suffragette City 13. Ziggy Stardust
BUDOKAN HALL TOKYO, JAPAN MARCH 9, 2004 DISC THREE 01. Introduction 02. Rebel Rebel 03. Hang On To Yourself 04. New Killer Star 05. Fashion 06. Cactus 07. All The Young Dudes 08. China Girl 09. Reality 10. 5:15 The Angels Have Gone 11. The Man Who Sold The World 12. Hallo Spaceboy 13. Sunday 14. Heathen 15. Under Pressure 16. Slip Away 17. Space Oddity
DISC FOUR 01. Looking For Water 02. Quicksand 03. The Loneliest Guy 04. Afraid 05. Be My Wife 06. A New Career In A New Town 07. Ashes To Ashes 08. I'm Afraid of Americans 09. Heroes 10. Bring Me The Disco King 11. Five Years 12. Fall Dog Bombs The Moon 13. Suffragette City 14. Ziggy Stardust 15. Closing Announcement
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