PAUL McCARTNEY [ WINGS OVER LUND 1972 ] | | DATE | 19720811 | PLACE | Olympen Lund Sweden | LABEL | MC | CODE | mccd-324_5 | SOURCE | Audience | TYPE | 2CD | PRICE | ¥ 7,430 | |
《 Products Information 》
ビートルズ解散後のポールは、解散の遠因となったライヴ活動を巡るメンバー間の意見の相違を晴らすべく、新しいバンドを結成してツアーに出ることを決意する。ビートルズ解散後の初めてのステージは1972年である。約2年の雌伏期間を経てのものであった。その間はゲットバック・セッション時から暖めていた新曲をソロアルバムとしてリリース、さらに近い将来ツアーに出ることを前提として、新たなバンドメンバー候補を念頭においたセッション・ミュージシャンのオーディションなど、着実にその歩みを進めていた。
最初のソロアルバム『マッカートニー』は「恋することのもどかしさ」「ジャンク」など魅力的な楽曲に溢れていたが、あくまでダイアモンドの原石的であり、現在のように眩い光を発するまでに昇華されていないものであった。リンゴにさえ「ポールは才能を無駄遣いしている」と評されたくらいである。しかし、ホーム・レコーディングだった『マッカートニー』に続く『ラム』は、完全なバンド・サウンドで占められ、全米ナンバー1シングルも物にし、今では名盤の評価が高い。そして、この『ラム』のレコーディング・メンバーをベースにして新たに結成されたバンドがWINGSなのである。ウイングスのファースト・アルバム『WINGS WILD LIFE』がリリースされたのは1971年のことであった。
ポール率いるウイングスが本格的なツアーに出たのは1972年であった。1972年の7月と8月にヨーロッパ各国をツアーバスで移動しながらツアーを行なったのである。セットリストは7月と8月で若干異なることが判明しており、本作に収録されている1972年8月11日スウェーデン公演はセカンド・レグに当たる。このセカンド・レグの特長としては、何をさておいてもオープニングにある。激しいリフが次々に繰り出されるインストナンバーが演奏されコンサートの始まりを告げるOvertureの役割を果たしている。この手法は後にツェッペリンやエルトンジョン、ビリージョエルなどに引き継がれることとなる嚆矢であろう。そして1曲目が「出ておいでよお嬢さん」である。そして「Bip Bop」やら「Mumbo」やら、今では到底考えられないセットリストだが、それゆえにこのレアなセットリストがこの時代のライヴの魅力となっている。
バンドとしての成功を目していたポールは、当初バンド名に自分の名前を冠さず、シンプルに「ウイングス」と呼んでいた。そして、この時点ではまだバンドとしてはアルバム1枚と数枚のシングルを発表したのみ、圧倒的に持ち歌が少なかった。そこでセットリストにはソロ・アルバムで発表した楽曲やカバー曲を組み入れるなど、ファンの認識同様にポールマッカートニーという名前とウイングスというバンドが不可分であるという矛盾を露呈してしまってもいる。またアンコールでは「のっぽのサリー」を演奏しているが、これはウイングスに懐メロ的なビートルズを求めるファンへのポールなりの返答であろう。ビートルズの曲を演奏するには抵抗があるが、しかしカバーであるならと、ビートルズ時代にコンサートの最後を締めくくっていた同じ曲で、ウイングスのコンサ?トも幕を閉じる構成となっている。
注目すべきは現在に至るまで未発表の曲も多いことや、この時点ではまだリリースされていない楽曲を数多く演奏している点にある。ウイングスのセカンド・アルバムは『レッド・ローズ・スピードウェイ』だが、これは1973年にリリースされている。しかし1972年のこの時点で既に「マイ・ラヴ」はコンサート終盤の重要な位置で演奏されているのがわかる。また当初2枚組になる予定だった同アルバムが1枚に凝縮される過程で割愛され、後に『COLD CUTS』として出回ることとなった未発表曲も、既にこの時点で新曲としてステージで演奏されているのが興味深いところである。
『ラム』や『ワイルド・ライフ』に収録の曲をメインに、さらにこの時点では未発表だった『レッド・ローズ・スピードウェイ』の曲、そして同アルバムに収録される予定であった未発表曲で、この時代のツアーは構成されている。おそらく2度と演奏することはないであろう曲が多く、初期ウイングスの若々しく、かつ荒々しいラフな雰囲気が詰まっているライヴである。
本作は1972年8月11日スウェーデンはルンド公演を高音質で完全収録。さらにボーナストラックでは初登場音源として同じスウェーデンでも8月7日ストックホルム公演を収録。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。日本語帯付。
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サンプル音源
Olympen Lund Sweden August 11, 1972 DISC ONE 01. Instrumental - Eat At Home 02. Smile Away 03. Bip Bop 04. Mumbo 05. 1882 06. I Would Only Smile 07. Give Ireland Back To The Irish 08. Blue Moon Of Kentucky 09. The Mess 10. Best Friend 11. Soily 12. I Am Your Singer 13. Seaside Woman 14. Henry's Blues 15. Say You Don't Mind 16. Wild Life 17. Mary Had A Little Lamb
DISC TWO 01. My Love 02. Maybe I'm Amazed 03. Hi, Hi, Hi 04. Long Tall Sally
Grona Lund Stockholm Sweden August 7, 1972 05. Instrumental - Eat At Home 06. Smile Away 07. Bip Bop 08. Mumbo 09. 1882 10. I Would Only Smile 11. Give Ireland Back To The Irish 12. Blue Moon Of Kentucky 13. The Mess 14. Best Friend
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