PAUL McCARTNEY [ ONE ON ONE TOKYO DOME 27 ] | | DATE | 20170427 | PLACE | Tokyo Dome Tokyo Japan | LABEL | piccadilly circus | CODE | mccd-271_3 | SOURCE | Audience | TYPE | 3CD | PRICE | ¥ 7,450 | |
《 Products Information 》
■2017年4月27日東京ドーム公演初日を最前列録音にて完全収録 ■当日のVIPサウンドチェック音源を併録 ■2017年日本公演唯一の「Birthday」
ポールは1966年にビートルズとして来日したのが初めての日本体験であった。その後1975年にウイングスとして来日が発表されたが、前科を理由に入国許可が下りず中止。1980年に再び来日するが演奏はせずに強制帰国。そして初のソロ公演は1990年と、実に24年ぶりのことであった。1993年に再び来日するものの、その次となると2002年まで9年間も待たねばならなかった。そして記憶に新しい2013年の来日公演はさらに9年後であった。このように、ポールの来日公演といえば、その時々の時代、その時の自分とリンクして記憶される、非常にレアな体験であったはずである。
ところが2013年の来日公演の興奮冷めやらぬ、わずか半年後に、再び来日するという噂が流れた。当初ガセネタかと思ったら本当だったので驚いたものだ。この2014年の来日公演は体調不良により公演が中止されるが、契約履行のため2015年に再来日した。そしてまた2年ぶりとなる2017年に来日するという。もはやポールの来日公演はレアな体験ではなく、ワールド・ツアーの一環として、アメリカ、欧州、そして日本と、ポールのルーティンに組み込まれているのだろう。
2016年、ポールは新たなツアー・タイトルを「ONE ON ONE TOUR」と題してツアーに出ることになる。ポールは戦前の昭和17年生まれ、2017年には75歳になる後期高齢者である。この後、どれだけツアーに出ることができるだろうか。おそらく体力的にも、年齢的にも、5年後にはこのような大規模なツアーは行なっていないであろう。そしてその自覚は本人にもあるのではないか。なので、出来る時に後悔のないよう可能な限りステージに立っておこうという、焦りではないが、そのような人生の締めくくりを考えているのではないか。ポールが一切ツアーに出ていない80年代を経験しているファンにとっては、現在のように毎年ツアーを行なっているポールを信じられない思いで見ているに違いない。
その2016年から始まったONE ON ONEツアーは2年目に突入した。そして2016年大晦日、紅白歌合戦にメッセージを寄せるという形で日本公演が発表されたのである。これはONE ON ONEツアーとして初めての日本公演であるだけでなく、2017年に入って一番最初のコンサートの地として日本が選ばれたことになる。この日本公演に向けて改めてリハーサルをしていることが本人に口から語られ、年が変わり、新たなONE ON ONEツアーが期待される、そのお披露目が日本だったのである。当初、東京ドームで3公演が発表され、その後武道館が再び追加で発表された。個人的には武道館は一度きりであることに価値があったと思っているのだが、何はともあれ公演数が増えるのはファンとしては嬉しい限りである。2017年ポールの来日公演の日程は以下の通り。
2017年4月25日 日本武道館 2017年4月27日 東京ドーム 2017年4月29日 東京ドーム 2017年4月30日 東京ドーム
年々来日公演を重ねるたびに公演数が減っていくのが気になるが、熱心なファン以外にとっては「また来るの?」という論調で語られている部分もあり、致し方ないことかもしれない。特に前2度の来日公演は同じOUT THEREツアーということもあり、なおの事そのように受け取られていることは理解している。しかし今回は新たにツアー・タイトルを変えての来日公演である。もちろんセットリストにも変化があり、今まで聴くことができなかったONE ON ONEツアーならではの曲に注目が集まっていた。本作は、この2017年来日公演二日目の4月27日東京ドーム公演を収録している。
初日の武道館公演は会場の時間的制限から2015年同様に特別なセットリストではあったのだが、時間的には短縮されたコンパクトなショウであった。しかし東京ドーム公演は、前年欧米のONE ON ONEツアー同様にフル・セットでのコンサートである。もちろん2016年とは異なる2017年のポールの最新セットリストである。 まずONE ON ONEツアーの最大の特徴である「A Hard Day's Night」でショウは開幕する。オリジナルではジョンが歌っていたパートもポールが通して歌うというものである。そしてアルバム『NEW』も古くなったと感じたのか、今まで長らく2曲目に鎮座していた「Save Us」がカットされ、ウイングス時代の「Junior’s Farm」が採用された。この曲は2011年に36年ぶりに演奏されて以来、時折ポールが好んで演奏している曲である。同じウイングスの「Letting Go」もコンサート序盤のハイライトとして演奏されている。「Temporary Secretary」は前回2015年の来日公演以降の欧州ツアーで初めて演奏された『McCartney II』収録の曲であったが、ここに目出度く日本のファンに初披露となった。
毎回ツアーのセットリストを見て感じるのは、ポールは「Let Me Roll It」が大好きなんだなという点である。比較的長い曲でありながら、短縮セットの武道館においても演奏され、ポールのステージでは定番となっている。しかも今回は同系統の「I’ve Got A Feeling」と連続して演奏されている。この辺もポールの拘りが垣間見れるところであろうか。
アコースティック・コーナーでは2004年と2005年のツアー以来、しばらく演奏されることのなかった「In Spite Of All Danger」が目を引く。また昨年はジョージ・マーティンの想い出が語られた上で演奏された「Love Me Do」に関しては、追悼の意味合いも薄れ普通にビートルズ時代の曲として演奏されている。あの印象的なハーモニカはウィックスが担当している。そして武道館では割愛された「You Won’t See Me」が無事に東京ドームで披露された点も喜ばしい。ビートルズ時代はライヴ演奏することがなく、2004年夏の短期欧州ツアーで演奏されたのみの非常にレアな曲である。しかも2004年の時はエレクトリック・セットでの演奏であったが、今回はアレンジを変えてアコースティック・セットの中の1曲として演奏されている。イントロがオリジナルと異なるため、歌詞が始まって「あの曲」だと判明してから観客が沸くところが面白い。
アコースティック・コーナーの後は、ポールはサイケデリックなペイントが施されたマジック・ピアノに座る。ここで「Queenie Eye」と「New」が演奏されるのだが、結局アルバム『NEW』からはこの2曲だけにとどまり、アルバム・プロモーションの意味合いはかなり希薄になっている。「The Fool On The Hill」もまた久しぶりのセットリスト入りである。日本のファンにとっては1990年初来日でも演奏されたことでお馴染みであろう。その際はキング牧師の演説がサンプリングされたアレンジであったが、今回はアンソロジーのアウトテイクと同じエンディングを採用している点に注目である。
前々日の武道館で「日本初公開」となった「I Wanna Be Your Man」は東京ドームでも演奏された。日本公演に前後して夏の全米ツアーが発表されたが、そこでもこの「彼氏になりたい」が継続してセットリストに入るのだろう。同様に「SGT. Pepper’s Reprise」もアンコールに場所を移し演奏されている。そしてONE ON ONEツアーとしては初めて演奏されたのがアンコールにおける「Birthday」である。「会場の中に今日が誕生日の人はいるかい?」と問いかけ、その後に、この日はツアー・スタッフのトムが誕生日だという説明がなされる。さらにポールは「This is an old song for anybody who has the birthday this year」とオヤジギャグを言う。「今年に誕生日がある人」のために演奏する、つまり会場にいる全員である。英語のジョークが通じないと思ったのか、反応がイマイチでスベったまま曲に入っている。
ディスク3はコンサート前に行なわれたVIPチケット購入者のための公開サウンドチェックを完全収録している。毎回コンサート本編では演奏しないサウンドチェックならではのセットリストで楽しませてくれるため、非常に人気が高く、今回も抽選により購入の権利が割り振られた。チューニングに続いて、最初は軽く音出しの意味合いを込めてバンド全員によるジャムが演奏される。ポールはアドリブで「ロックしようぜ東京ドーム」という歌詞を延々と歌っている。このようにコンサートが行なわれる地名を連呼するのが、ポールなりのサービスであろう。そして武道館で演奏されたものの、東京ドームではカットされた「Drive My Car」や「Everynight」などが演奏されている。「Coming Up」も実際のステージで演奏されなくなって久しく、サウンドチェック用の曲に降格したような印象である。そしてリトル・リチャードのカバー「Miss Ann」はここでも演奏されている。ポールのマイ・ブームなのかもしれない。毎回、サウンドチェックは「Lady Madonna」で終わるのが常であるが、今回は曲の前にハミングを口ずさむイントロが加えられている。これは2002年のマッサージ云々という歌詞の曲と似てこそいるものの、全く聴いた新しい曲である。そして演奏後にもアドリブで結婚式の時に流すような曲を弾いている。
ポール・マッカートニー2017年の来日公演より、日本公演二日目4月27日東京ドーム公演を、最前列録音による高音質で完全収録。ONE ON ONE日本初上陸にしてフル・セットのコンサートである。2017年の来日公演からは、おそらく数多くのタイトルがリリースされるであろうが、ポールの最新ツアーを長年に渡って追いかけてきたピカデリー・サーカス・レーベルの前ではいずれ霞んでしまうであろう。いろいろ他のタイトルを聴いてみても、結局はピカデリー・サーカス・レーベルに戻る、そのような経験を過去の来日公演のタイトルでもされているのではないだろうか。専門レーベルとして長年に渡って積み重ねてきた実績を今回も信用していただきたいと思う。レーベルのプライドにかけて、その選択こそがベストなものであると確信している。機材が発達した昨今では、素人でもある程度のクオリティで録音することは可能であるが、そういう時代であるからこそ、本作でプロの仕事を堪能して欲しい。プロの仕事を。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。日本語帯付。
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TOKYO DOME TOKYO JAPAN April 27, 2017 DISC ONE 01. Introduction 02. A Hard Day's Night 03. Junior's Farm 04. Can't Buy Me Love 05. Letting Go 06. Temporary Secretary 07. Let Me Roll It 08. I've Got A Feeling 09. My Valentine 10. Nineteen Hundred And Eighty Five 11. Maybe I'm Amazed 12. We Can Work It Out 13. In Spite Of All Danger 14. You Won't See Me 15. Love Me Do 16. And I Love Her 17. Blackbird 18. Here Today 19. Queenie Eye 20. New
DISC TWO 01. The Fool On The Hill 02. Lady Madonna 03. FourfiveSeconds 04. Eleanor Rigby 05. I Wanna Be Your Man 06. Being For The Benefit Of Mr.Kite 07. Something 08. Ob La Di Ob La Da 09. Band On The Run 10. Back In The U.S.S.R. 11. Let It Be 12. Live And Let Die 13. Hey Jude 14. Yesterday 15. SGT. Pepper's Lonely Hearts Club Band Reprise 16. Hi Hi Hi 17. Birthday 18. Golden Slumbers - Carry That Weight - The End
DISC THREE SOUNDCHECK 01. Tuning 02. Tokyo Dome Jam 03. Match Box 04. Coming Up 05. Drive My Car 06. C Moon 07. Miss Ann 08. Things We Said Today 09. Every Night 10. Ram On 11. Midnight Special 12. Instrumental 13. Lady Madonna 14. Instrumental 15. Paul's Greeting
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