【ACOUSTIC SESSION】 「TEN YEARS GONE」は最終バージョンの煌びやかなサウンドと異なり、ここに収録のテイク1はアコースティック・ギターによる静かな演奏である。メロディは同じながら全く印象が異なるのが興味深い。歌詞はまだ乗っていない。テイク2と3はアレンジをアコギからエレキに変更してからのリフの確認である。ギターソロの部分もかなり完成に近くなっている。「THE ROVER」もアコギによる演奏である。アコギのみの演奏でありながら、あの独特のグルーヴ感が溢れており、プラントは未完成な歌詞をハミング交じりで歌っている。デビュー以来所属していたアトランティック・レコードとの契約満了に伴い、自主レーベルを立ち上げたのは1974年の事であった。そのレーベル名を「スワン・ソング」と名付けた。これはジミーが戯れに爪弾いたインスト曲のタイトルに由来すると伝えられる。その曲こそここに収録された「SWAN SONG」である。
【RECORDING SESSIONS 1】 「CUSTARD PIE」はアルバムの冒頭を飾るハード・ナンバーである。変則的なドラムに重ねられるギター、そしてそのエフェクト音はまさにIVに収録されていても違和感のないサウンドである。ここに収録のテイクはほぼ完成形に近い。リリース・バージョンはヴォーカルを控えめに楽器群を前面に出したミックスが成されていたが、ここではバランスのとれたものとなっている。エンディングがまだ決まっておらず、唐突な終わり方をする。「IN MY TIME OF DYING」はカウントから始まり、途中でバンド内でディスカッションを行ないつつ演奏を固めるため試行錯誤している様子が捉えられている。アレンジは確定しているものの細部が未完成で、このように演奏を重ねつつ完成に近付けていったのがわかる。プラントの歌はあくまで仮のガイド程度にとどまっている。「TRAMPLED UNDERFOOT」はゆったりしたテンポながらヴォーカルはダブル・トラックとなっており、かなり本格的なレコーディング・テイクである。ジョン・ポール・ジョーンズのキーボード・ソロにかなり長い時間が割かれており、そのソロもリリース・バージョンとは異なるものである。
【RECORDING SESSION 2】 「KASHIMIR」はツェッペリン・プライドとも称される壮大なアルバムの代表曲である。リリース・バージョンに比べかなりテンポは速めで、ヴォーカルは未収録。エンディングも異なる。「TEN YEARS GONE」はここではスタジオなのでエレクトリック・ヴァージョンとなっている。そしてこのセッション2で最も多くの時間が費やされているのが「NIGHT FLIGHT」と「BOOGIE WITH STU」である。
【RECORDING SESSION 3】 レコーディング・セッション3のメインは「TRAMPLED UNDERFOOT」である。印象的なキーボードのリフに乗せてプラントがヴォーカルを重ねている。メロディは純粋にヴォーカルに委ねられているが、まだ歌詞が未完成であるのがわかる。途中ブレイク部分もきちんと挿入されており、テンポは幾分ゆったり目で演奏もドタバタ感が否めないが、骨子はこの時点で完成しているのが伺える。テイク4はかなりゆったりしたテンポでオリジナルでは割愛された奇妙なギターが重ねられている。プラントは囁くように歌っており、まるでジャズのようなアレンジである。最終的にあのようなアップテンポになったのはレコーディングもかなり後になってからなのだろう。「IN THE MORNING」は「IN THE LIGHT」のワーキング・タイトルである。
【RECORDING SESSION 4】 「SICK AGAIN」はイントロからして聴き慣れないものである。ヴォーカルはオフ気味であるが、プラントのヴォーカルが全くオリジナルと別物で、このテイクを聴くと「BOOGIE WITH STU」を発展させたか、あるいは同じ派生から出来た曲ではないかと思わせる。「TAKE ME HOME」は「CUSTARD PIE」の元曲であろう。全く異なる曲でありながら「CUSTARD PIE」のフレーズが随所に現れる。
DISC ONE RECORDING SESSION 1 01. abc song 02. Ten Years Gone #1 03. Ten Years Gone #2 04. Ten Years Gone #3 05. The Rover 06. Swan Song
RECORDING SESSION 2 07. Custard Pie 08. In My Time Of Dying #1 09. In My Time Of Dying #2 10. In My Time Of Dying #3 11. In My Time Of Dying #4 12. In My Time Of Dying #5 13. In My Time Of Dying #6 14. In My Time Of Dying #7 15. Trampled Underfoot
RECORDING SESSION 3 16. Kashimir 17. Ten Years Gone #1 18. Ten Years Gone #2 19. Ten Years Gone #3 20. Night Flight #1 21. Night Flight #2 22. Night Flight #3 23. Night Flight #4 24. Night Flight #5 25. Night Flight #6 26. Night Flight #7 27. Night Flight #8 28. Boogie With Stu #1 29. Boogie With Stu #2 30. Boogie With Stu #3 31. Boogie With Stu #4 32. Boogie With Stu #5 33. Boogie With Stu #6 34. Boogie With Stu #7 35. Boogie With Stu #8 36. Boogie With Stu #9
DISC TWO RECORDING SESSION 4 01. Trampled Underfoot #1 02. Trampled Underfoot #2 03. Trampled Underfoot #3 04. Trampled Underfoot #4 05. Trampled Underfoot #5 06. Trampled Underfoot #6 07. Trampled Underfoot #7 08. Trampled Underfoot #8 09. Trampled Underfoot #9 10. In The Morning #1 11. In The Morning #2 12. The Wanton Song #1 13. The Wanton Song #2
RECORDING SESSION 5 14. Sick Again 15. Take Me Home #1 16. Take Me Home #2 17. Instrumental
RECORDING SESSION 6 18. Trampled Underfoot 19. In The Light 20. The Wanton Song 21. Swan Song